シーシャHMD「カロード」純正品vsコピー品!値段3倍の価値はあるのか?

シーシャ好きのみなさん、こんにちは。
新しい機材を買うとき、AmazonやAliExpressのカートを眺めながら、一度はこう思ったことがありませんか?
「純正のカロードロータス、高すぎない?」「1000円くらいのコピー品でも、結局は金属の塊だし同じじゃない?」
純正品はコピー品の約3倍から5倍の価格。「本当にそれだけの価値があるのか?」という疑問は、常に頭の片隅にありました。
そこで今回、この長年の疑問に決着をつけるべく、純正品とコピー品を同じ条件で吸い比べる徹底検証を行いました。
結論から言うと、「最初は同じでも、15分後に決定的な差が出る」という意外な真実が判明しました。今回はその検証結果と、なぜそこまで差が出るのかという「構造の秘密」をシェアします。
比較検証のセットアップ
まずは、公平なジャッジをするための検証環境をご紹介します。どちらか一方に有利にならないよう、全く同じ条件を整えました。
- 使用ボウル: シリコンボウル
- 使用ボトル: ドイツ製ボトル
- フレーバー: Afzal(アフザル) / アールグレイ 13g(少し少なめにふんわりとセット)
- 炭: Kingco(ギンコ)フラットタイプ × 3つ(縦置き)
- 蒸らし時間: 5分
この条件下で、純正品(カロードロータス I+)と、一般的なノーブランドのコピー品のパフォーマンスを同時にスタートさせました。
1. 【序盤】驚きの事実!吸い出し直後は「ほぼ差がない」
検証を始めて最初に訪れたのは、予想外の驚きでした。
「純正品の方が最初から圧倒的に美味しいはずだ」
そんな私の予想は、良い意味で裏切られました。吸い出しから最初の数分間、両者のパフォーマンスは以下の通りでした。
- 味と煙の量: どちらもしっかりと味と煙が立ち上ります。
- 吸い心地: 正直なところ、ブラインドテスト(目隠し検査)なら区別がつかないレベルです。
レビュアーとして神経を研ぎ澄ませて比較すれば、純正品の方が煙がわずかに「しっとり滑らか」であると感じました。しかし、これは決定的な差と呼ぶには些細なもの。「これなら安いコピー品で十分では?」と一瞬思ってしまうほど、序盤のコピー品は健闘していました。
2. 【中盤】15分後に訪れる「質の低下」
「なんだ、結局大差ないのか」と結論づけようとした矢先、本当の違いはセッションが中盤(約15分経過後)に差し掛かった頃に現れました。
ここで明確な「2つの変化」が起きたのです。
煙の質の変化
純正品が序盤の「しっとり滑らかな煙」を安定してキープしているのに対し、コピー品は徐々に煙がイガイガしたり、逆に薄くなったりと、パフォーマンスが不安定になり始めました。
炭の燃焼状態(ブラックアウト)
これが今回の比較で最も重要な発見でした。コピー品の中の炭を確認すると、**底面が黒く鎮火(ブラックアウト)**しかけていたのです。
「炭が長持ちして良いのでは?」と思われるかもしれませんが、これはシーシャにおいては致命的です。炭の下側が消えてしまうと十分な熱量が生み出せず、HMD全体の温度が下がります。その結果、味と煙の質が急激に落ちてしまったのです。
3. 【理由】性能差の正体は、純正品だけの「底の突起」
見た目はそっくりな両者ですが、なぜここまで炭の燃焼に差が出たのでしょうか。その秘密は、ひっくり返してみないとわからない「底面の構造」にありました。
純正品(Lotus I+)の特別な設計
現行の純正カロードロータスの内側底面には、放射状の**「突起(リブ)」**が存在します。実はこれこそが、美味しさを支える心臓部でした。
突起がもたらす「呼吸」の効果
この突起があることで、炭とHMDの底面との間にわずかな隙間が生まれます。
- 空気の循環: 隙間を空気が通ることで、炭の下側まで常に酸素が行き渡ります。
- 完全燃焼: 炭が底面からもしっかり「呼吸」できるため、火力が落ちることなく、安定した高い熱量を維持できます。
一方で、多くのコピー品(特に安価なもの)はこの底面が平らであったり、突起の設計が甘かったりします。そのため、炭の底面がHMDにべったりと密着して酸欠状態になり、火力が弱まってしまっていたのです。
結論:あなたに合うのはどっち?
今回の検証で、「最初は差がないが、時間が経つにつれて設計思想の差が明確になる」という事実がわかりました。これを踏まえて、どちらを選ぶべきか整理してみましょう。
純正カロードロータスがおすすめな人
- 一度セットしたら、最後まで安定した美味しい煙を楽しみたい人
- 炭の世話を頻繁にするのが面倒な人
- 道具へのこだわりを大切にし、失敗のないセッションをしたい人
コピー品がおすすめな人
- とにかく初期費用を抑えてシーシャを始めたい人
- こまめな炭交換や、炭の位置を変える手間が苦にならない人
- 自分で工夫して味を作るプロセスを楽しめる「実験好き」な人
コピー品が全く使えないわけではありません。炭のあたる位置を頻繁に変えて酸欠を防いだり、こまめに炭を交換したりすることで、その性能を補うことは可能です。
ただ、「快適な時間」をお金で買うという意味では、純正品への投資は決して高いものではないと私は感じました。
あなたのシーシャライフスタイルに合わせて、最適な一台を選んでみてください。



